「戦隊には子供っぽいのと大人っぽいのがある」
「それで?」
「ゴセイジャーは子供っぽい部類、シンケンジャーやゴーカイジャーは大人っぽい部類に入るだろう」
「それに意味があるの?」
「ある。大人っぽい方が見ていて楽しいからだ」
「なぜ?」
「だって大人だし」
「ぎゃふん」
「しかし、ここで言いたいのはそのことではない」
「なんだい?」
「シンケンジャーは時代劇テイストを取り込んだことで必然的に大人っぽくなった」
「うん」
「ではゴーカイジャーは何だ? たまたまスタッフが大人っぽく作りたかっただけか?」
「海賊ものだから大人っぽくなる訳でも無いよね」
「むしろ、子供っぽくなるだろう。海賊はそもそも記号化されたファンタジーに親和性が高い」
「じゃあ、どういうことだ?」
「最近分かってきたよ。ゴーカイジャーは戦隊35周年で過去戦隊のメンバーがゲスト出演するのが特徴だ」
「それで?」
「過去戦隊のメンバーは当時若くても既におっさんの確率が高い。しかも設定上負け犬としてしか出られないし、そもそも過去戦隊のメンバー全員は出せない。予算の都合もあるだろうし、そもそも俳優をやめちゃった人もいるだろうし」
「ハリケンジャーは全員出たじゃん」
「ハリケンジャーのように3人セットで出られた戦隊もあるのだが、そもそもハリケンジャーの世界にはハリケンジャー以外に更にヒーローが数人いたので、やはり全員は出られていない」
「そうか。おっさんで負け犬で、しかも徒党を組めないとなると、大人っぽい渋い話にならざるを得ないわけだね」
「そうだ。ゴーカイジャーの若者達を試すような話になるとかね」
敵のボスも §
「そうすると、実は敵のボスが凄く子供っぽい理由も分かる」
「なぜ?」
「子供も見る特撮である以上、子供にも分かりやすい入り口は必要だが、必然的に戦隊側には用意できない。敵側に用意するしかあるまい」
「ギャグキャラが敵に多いのも同じ理由だね」
「ジェラシットもそうだが、他にも笑える敵はけっこう多い」
「シリアスな敵もいるけどね」
「物語の必然上、そういう敵も必要だ」
「どうして?」
「戦隊側が渋い話をするのに、それに対応する敵も必要だからだ」
オマケ §
「でも、敵のボスは好きだぜ」
「なぜ?」
「心の弱さを露出するキャラだからだ」
「笑えるからじゃないのね」
「笑えるってのもあるけどな」
「ぎゃふん」
「笑えるヒーローは好きだが、敵だって好きだ」